営業担当のNです。2021年より上昇を続けている光熱費。
今回は、ガスや電気の消費を抑えながら、美味しく仕上げられる保温調理をご紹介します。
節約だけでなく、エコや時短、また夏に向けてのキッチンの暑さ対策にも役立ちますよ。手軽に始めたい方は、いつも使っているお鍋とバスタオルだけでOK。
また、各メーカーから発売されている専用鍋も人気です。
光熱費の値上げにも、楽しく工夫して対策したいですね。
光熱費値上げの状況
ガス代の値上がりについて
世界情勢や円安などの影響により、液化天然ガス(LNG)の価格高騰が続き、家庭のガス代にも影響しています。
3年前の2021年と比べると、
・ 2021年1月:4,514円
・ 2022年1月:5,395円(対前年比+19.5%)
・ 2023年1月:7,434円(対前年比+37.8%)
となっています(政府統計の「家計調査」による)
これを受けて、政府は2023年1月以降の使用分より、
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による電気代・ガス代の補助を実施しています。
これにより、ガス代全体の平均は2023年1月をピークに減少に転じていますが、2023年9月分からは補助額が半減。
補助額の減額による影響はひと月数十円とそれほど大きくないものの、
円安や国際情勢の影響が長期化すれば、ガス料金は今後も高いレベルで推移する可能性があります。
電気代の値上がりについて
電気についても、液化天然ガス(LNG)の価格高騰、国内の電力供給不足により、
2021年から2023年1月にかけて値上がりを続けました。
政府の措置により、2023年2月に大きく値下がりしたものの、その後変動しながら上昇傾向にあります。
また、2024年5月からは再生可能エネルギー発電促進賦課金による値上げが決定。
ガスと同様、6月以降は政府による補助政策も終了するため、値上がりにつながることが分かっています。
保温調理で節約と美味しさを両立!
お風呂やキッチンでできるガスや電気の節約方法はさまざまあります。
ポイントは、ガスやIHを使用する際に、エネルギーを効率よく活用すること。
キッチンでは、
・余熱を利用する
・フタや落し蓋をする
・圧力鍋や保温鍋を使う
・中華鍋・大きめの鍋を使う
などが挙げられます。
その中でも、今回は保温調理に注目。
光熱費の節約とエコにつながるだけでなく、手間を省いて美味しく仕上げられるとメリットは大きいですよ。
いつも使っているお鍋とバスタオルでOK!
保温調理の最も簡単な方法がこちらです。
例えば、具だくさんの豚汁も材料とダシをお鍋に入れて、加熱します。
数分沸騰後、お鍋をバスタオルで包んで、厚めの鍋敷きに乗せておけば、10~20分程度で火が通ります。
包み込みやすいよう片手鍋より両手鍋がおすすめです。
なお、室温が高い季節に長時間置く場合は…
腐敗を防ぐためには、沸騰前から保温中もフタを開けず、密閉を保つこと。
もし味付けなどでフタを開けた場合は、もう一度沸騰させます。
そのためにも、フタがぴったり閉まるお鍋が必須です。
1986年に、保温により適温で調理できる『はかせなべ』を発明した、応用物理学者・小林寛博士によると、食材をグツグツ煮すぎると、ビタミン、酵素、タンパク質などが破壊され、うまみを煮出してしまうのだとか。
野菜も肉も70~98℃の間で一定時間温度を保てれば、火を通すことができるそうです。
しかも、塩分、糖分、アミノ酸などのうまみ成分は、鍋の中がゆっくりと冷めていく時によく染み込みます。そもそも、100℃を保ち続ける必要はなく、保温しつつ冷めていく過程が重要なわけですね。
その点この方法は、
・素材に調味料などの味がよく染み込む
・素材の味が損なわれず、香りも飛ばない
・ガス、電気を節約できる
というメリットがあります。
しかも、タンパク質の組織を壊さないため、アクや肉の臭みも出にくいそうですよ。
豚汁は、初めから味噌も入れておけば、味の染みた豚汁ができあがります。
味噌の風味にこだわりたい場合は、初めにしょうゆとみりんで薄めに味付けして、
火が通ってから仕上げに味噌を加えるといいですよ。
夕食を作り始める時に仕込めば、同時進行で他の調理ができます。
コンロもふさがないので、便利ですね。
カレーも保温調理にピッタリの料理。
具材を炒めて水を入れ、沸騰後、数分煮込んだら火を止めて置いておきます。
ルーは細かくしないと溶けにくいので、仕上げの再加熱時に入れましょう。
おでんや肉じゃがやシチュー、トマト煮なども同様におすすめです。
ちなみに、お子さんが小さい場合は、保温調理中にお風呂に入れると、ちょうどいい段取りですよ。
作りおきにも便利なかたまり肉の煮込みも保温調理に向いています。
豚バラを使った角煮はゆで卵も一緒に。
豚の肩ロースを塩ゆでした塩豚は、スライスしてハムのように使えます。
バスタオルでは心もとないという方は、保温調理のためのカバーも市販されています。
手芸が得意な方は手作りも素敵ですね。
▼雑誌「婦人之友」で知られる全国友の会による「鍋帽子」
https://www.zentomo.jp/nabeboushi
▼かわいいデザインが人気の「重ね煮コゼー」
https://kasaneni-cozy.com
おすすめは蓄熱性の高い素材のお鍋
鋳物ホーロー鍋
炭素の含有量が多い鋳鉄を使った鋳物ホーロー鍋は、鍋全体に熱が回るまで時間がかかりますが
一度熱くなると冷めにくいのが特徴。
ホーロー加工しているので、鉄鍋よりも扱いやすい点でもおすすめです。
【代表的なメーカー】
▼愛知発、メイドインジャパンの技術力「バーミキュラ」
https://www.vermicular.jp
▼すっかりおなじみのフランスの「ルクルーゼ」
https://www.lecreuset.co.jp
ステンレス製鍋
ステンレスは鉄を主成分とする合金素材で、さびにくく、丈夫。
一度温まると熱が逃げにくいので、煮込みなどの保温調理に向いています。
鋳物ホーロー鍋と比べるとやや軽く、キズや汚れも付きにくいので、より気軽に使えます。
【代表的なメーカー】
▼無水調理で有名な「ビタクラフト」
https://www.vitacraft.co.jp
▼金属加工のブランド産地 新潟県燕市の「宮崎製作所」
https://miyazaki-ss.co.jp
土鍋
土鍋を冬の鍋物にしか使わないなんてもったいない!
保温性が高く、煮込み料理のほか、ご飯を炊くのにも重宝します。
【代表的なメーカー】
特許取得のヘルシー蒸し鍋が人気、伊賀焼の「長谷園」
https://store.igamono.jp
銅製鍋
鍋に使われる素材の中でも、抜群の熱伝導率と蓄熱性を誇る銅。
食材にムラなく均等に熱が伝わるという特長があり、料理のプロにも人気です。
価格が高めで、お手入れに手間がかかるため、上級者向き。
▼京都東山の三十三間堂近くにある「鍛金工房WESTSIDE33」
https://www.westside33.jp/
保温調理器も人気
専用の保温調理器も市販されています、
内鍋と外鍋の二重構造で、直火にかけて加熱後、外鍋の中に内鍋をセットするタイプと、
外蓋をして、一定温度を保つタイプがあります。
保温効果が高いため、とろ火のような作用があり、数時間は温め直さなくても食べられる優れもの。
朝セットしておいて、夜にすぐ食べられるなんて理想的ですよね。
【代表的なメーカーと製品】
▼「真空保温調理器シャトルシェフ」 サーモス
https://www.thermos.jp
▼「ダブル真空保温調理鍋 おまかせさん」 アイリスオーヤマ
https://www.irisohyama.co.jp
まとめ
今回は保温調理についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
私自身、節約できてエコで時短になるからと注目したのですが、保温には美味しさを引き出す力があることを知り、
これまで以上に取り入れたいと思いました。
プロの料理人の方は冷ましながら味を煮含めておられますよね。
また、昔は一般家庭でも豆などをストーブの上でゆっくりと炊いていました。 忙しいと、焦りもあってついグラグラと煮立たせがちですが、保温調理で心のゆとりも持ちたいものですね。